AIエージェント時代の証券・清算インフラを提供するAlpacaDB Inc.およびそのグループ企業(以下「アルパカ」)は、発行体主導型のトークン化証券の普及を目指してBullishとEquinitiが設立した業界ワーキンググループ「Issuer Sponsored Token Coalition」に、初期メンバーとして参画しました。本団体には、アルパカをはじめ証券、取引、市場インフラを支える企業が複数参加しています。トークン化証券が既存の資本市場と共存し、相互に連携しながら拡大していくために必要な技術標準、市場インフラ、運用の枠組みについて検討を進めます。
発行体と株主の関係を維持したトークン化証券へ
株式のトークン化が進む中、重要な論点の一つとなっているのが、従来の株式が持つ権利や市場構造をオンチェーン上でどのように維持するかという点です。
Issuer Sponsored Token Coalitionは、次世代のトークン化された上場証券においても、発行体と株主との基本的な関係が維持されるべきだという考えに基づいて設立されました。発行体主導型のモデルでは、トークン化証券を発行体の正式な株主名簿に直接連携させることで、証券市場にブロックチェーンのメリットを取り入れながら、株主としての法的権利、コーポレートアクションに関する権利、投資家保護を維持することを目指します。
今回のワーキンググループ設立の背景には、米国における規制環境の進展もあります。米国証券取引委員会(SEC)は9月17日、イノベーション推進のための規制免除(「Innovation Exemption」)措置を発表し、米国上場株式について一定の範囲でオンチェーン取引を認めました。この措置でSECは、証券市場に対し、トークン化株式の保有者が、対応する従来型株式と同等の権利を有することを確認するよう求めています。こうした枠組みは、発行体と株主の関係や株主としての権利を維持する発行体主導型トークンが、今後のトークン化証券市場において重要な役割を担う可能性を示しています。本措置の有効期間は5年間で、SECは今後の制度のあり方についてパブリックコメントを募集しています。
ワーキンググループでは、まず以下の4つの領域に取り組むこととされています。
- 発行体・株主の権利を維持したモデルの構築従来の株式が有する法的権利、コーポレートアクションに関する権利、投資家保護を維持したトークン化証券モデルの構築
- 相互運用性発行体主導型の証券が、従来の清算・決済インフラ、ブロックチェーンネットワーク、従来のラップ型トークン、原資産に対する権利を表章するトークンの仕組みなどの間で相互に利用できるようにするための、共通の技術・運用方式の検討
- 普及に必要な要件の検討発行、移転、決済、カストディ、セカンダリーマーケットでの取引に関する規制、業務、商業面の要件の検討
- オープンな市場エコシステムの構築拡張性の高いトークン化証券市場を構築するため、発行体、証券会社、取引所、名義書換機関、カストディアン、マーケットメーカー、流動性提供者、テクノロジー企業などが一堂に会する場を設けること
今後は、ブロックチェーンやスマートコントラクトの設計評価、相互運用性に関する標準の策定、規制・コンプライアンス要件の分析、プロトタイプや実証実験の実施、政策当局や業界団体、標準化団体との対話などを進める予定です。
従来市場とオンチェーン市場をつなぐインフラを構築
アルパカは、従来の金融市場とオンチェーン市場をつなぐ証券インフラの構築を進めています。具体的には、独自の「Instant Tokenization Network(ITN)」を開発し、現物株式とトークン化株式をリアルタイムかつ24時間365日で相互に交換できる仕組みを提供し、従来市場の株式とオンチェーン上のトークン化株式をつないでいます。
アルパカ Head of Digital AssetsのArush Sehgalは、次のように述べています。
「トークン化によって、従来の市場インフラでは実現できなかった方法で、発行体と投資家をつなぐことが可能になります。その可能性を正しく実現するためには、株主の権利を中心に考え、オンチェーン市場が、その基盤となる従来市場から分断されないようにすることが重要です。アルパカは、従来の金融市場とオンチェーン市場をつなぐ重要なインフラを提供しています。本団体への参加を通じて、トークン化株式と従来型株式が双方の市場をまたいで相互に利用できる、相互運用性の高いモデルの構築を進めていきます。」
トークン化証券市場の発展に向けて
BullishとEquinitiは現在、発行体の正式な株主名簿を維持しながら、従来の資本市場インフラとブロックチェーン市場との相互運用を可能にする、発行体主導型トークン化証券のインフラを共同で開発しています。Issuer Sponsored Token Coalitionでは、こうした取り組みに、証券会社、取引所、名義書換機関、カストディアン、マーケットメーカー、流動性提供者、テクノロジー企業など、発行体と投資家をつなぐさまざまな市場参加者が加わります。
10月27日には、ニューヨーク証券取引所において、参加企業が発行体や資本市場の関係者とともに、上場企業がトークン化にどのように取り組むべきか、それを支えるためにどのようなインフラが必要か、発行体主導型モデルによって従来の証券市場とブロックチェーンをどのようにつなぐことができるかについて議論する予定です。
アルパカは今後も、Issuer Sponsored Token Coalitionへの参加をはじめ、業界各社との連携を通じて、従来の金融市場とオンチェーン市場をつなぐインフラの構築を進めていきます。
アルパカについて
アルパカは、米国や日本など複数国で証券会社登録を有し、株式、ETF、債券、オプション、暗号資産の取引のための証券基盤を開発提供するフィンテック企業です。世界50カ国・300社以上の金融機関にサービスを提供し、1,000万以上の証券口座を支えています。アルパカはこれまでに、世界の業界トップクラスの投資家から、4億ドル(630億円超)の資金を調達しています。
テクノロジーと関連するサービスは AlpacaDB, Inc.( https://alpaca.markets/ )、米国の証券取引サービスはFINRA/SIPC会員のAlpaca Securities LLC、日本国内の証券取引サービスは、第一種金融商品取引業の登録を受けているAlpacaJapan株式会社( 関東財務局長(金商)第3024号、加入協会: 日本証券業協会、https://alpaca.markets/jp/ )が提供しています。なお、日本法人であるAlpacaJapan株式会社では、暗号資産およびトークン化証券の取り扱いはありません。